高専から大学に編入しちゃうぞ☆

高専から大学に編入しちゃうぞ☆

田舎の高専生が大学編入の体験記・体験談を綴るブログです。受験校は、豊橋技科大学・東京農工大学・横浜国立大学の3校です。

高専から編入 大学選びのポイント-進路研究で迷っている方へ

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大学イモ



体験記を載せる前に大学選びの苦悩を共有したいと思います。他の方々の体験談を見る限り、やりたい研究で大学を選んだという方が多くいます。その一方で、私は研究室優先の考えではなく打算的に第一志望をコロコロと変えました。

 

志望大学と経緯(時系列順)

1-3年

部活に東工大横国千葉大の3校に合格したハイスペックな先輩がいたので、そのレベルの大学に進学したいなと何となく考えていました。1,2年時の担任の先生から私の成績(学科で1,2位)ならどこの大学にも受かると聞かされていたので、理系最高峰の東工大あたりに進学できればいいなと考えていました。

4年

部活を辞めたので大学調べを始めました。大学について何も知らなかった私は、大学の偏差値から難易度を割り出すことにしました。手が届くのであれば自分の限界を試したいと考えていました。予備校のサイトを参照にして国公立大学工学部の偏差値・受験日などを基に、下記のようなにまとめて喜んでいました(笑)

 

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同じ工学部ならばどこの大学も研究内容や授業は対して変わらないだろうと当時の私は考えていました。受験会場が遠すぎず、化学が無く、例年の倍率が3倍未満、某有名YouTuberの母校という理由で大阪大学基礎工学部を志望しました。あわよく席次が良ければ千葉大学の推薦も狙いたいと考えていました。(叶いませんでしたが...)

編入試験は試験日が被らなければ国公立大学何校でも受けられることで有名です。しかし、検定料(3万)交通費(約2万)が掛かるので受験校を絞る必要がありました

筑波大横国、その他旧帝大は学科にもよりますが、倍率が3~5倍以上だったので受かる気が全くしませんでした。編入裏口入学とか絶対うそだろと思いました。

4年春休み

阪大に向けて勉強を続けていました。しかし、過去問は難しくて量も多かったので、残り半年では間に合わないと悟り諦めることにしました学力試験では「下手したらどこの大学にも受からないのでは」と弱気になった私は推薦入試を考え始めました。

例年の倍率を考えて電通大学Ⅲ類の推薦試験を第一志望にしました。さらに滑り止めとして筆記試験はないが、併願が可能な豊橋技科大学のGACコースを志望しました。

豊橋技科大学を志望した理由はTOEICが有利になるのではないかと考えたから・留学生とのシェアハウスが楽しそうだったからの2点です。電通大学を志望した理由は、首都圏なので就活などが楽そう・倍率が2倍未満と確実・偏差値が高い・単科大学なので研究や勉学に集中できるのではないかと考えたからです。

総合大学は様々な学部の生徒が在籍しており自分の視野を広げられる良い環境だと考えていました。しかし、大学を自由に選ぶほどの学力が無かった自分には手の届かない存在だと諦めていました。

5年

電通大の推薦が不合格だった時を考えて電通大の過去問を解き始めました。感想としては「意外と解けるじゃん」でした。阪大に向けて努力した数学物理の勉強が功を奏したのかもしれません。旧帝大レベルの過去問は確かに難しい。しかし、大学のレベルを変えることで可能性のある別の大学が視えてくるかもしれません

志望大学を改めて考え直して学力試験での受験を再度検討しました。せっかく取得したTOEICを生かせられないのでは勿体ないと考え、中堅国立でTOEICを採用している大学を調べました。大阪府立大首都大・広島大・岡山大・横国・筑波大を候補に挙げました。この中で首都圏に近く、進路支援室に過去問が揃っていた横国を調べました。興味のある研究室も見つかったので横国を第一志望に決めました。

横国の基礎科目(数学と物理)は解ける気がしましたが、専門科目は未知の領域でした。しかし、横国の電子情報システム EPの専門科目について、筑波大や東工大旧帝大を狙う人達は専門科目(4科目)にまで手を回せないのではないかと考えました。よって、横国一本に集中して勉強すれば受かるのではないかと活路を見出しました。筑波大の数学と物理は私には難しく、対策する時間も無かったので諦めました。

この時点で豊橋技科大と横国を学力試験で受け、農工大を推薦で受けることにしました。諸事情により推薦枠は当初の電通大から農工大に変えました。

雑記(アドバイス

特定の目標を叶えたいがために第一志望の大学でないといけないとは思っていません。意識が低いとお叱りになるかもしれませんが、どこの大学でもどんな研究でも興味を持って何とかやっていけると私は自負しております。(何となくで高専に入った私ですが、留年や退学をすることなく工学という分野にどっぷり浸かっているので...)

付け加えるならばどんなに崇高な目標で大学を志望していたとしても、合格する実力がなければ絵に描いた餅です。特に、近年の編入試験は合格者数自体が少ない上に、情報共有の場が増えたことで倍率が増したと思います。一筋縄でいかないのは明白です。

 

以下の項目は合格することを第一条件に考えたときの指標をお恥ずかしながら記します。あくまでも個人の目安に過ぎないので、大学選びの参考程度にお考え下さい。

偏差値

大学の大まかなレベルが分かります。一概には言えませんが偏差値が高いほど、過去問の難易度や受験生の質は高まる傾向です。将来の就職先に関わるかもしれません...

科目

面倒なことに編入試験の科目は大学ごとにバラバラです。数・物・英の基礎科目は大抵の大学の編入試験に必要なので、とりあえず勉強していれば裏切りません。化学旧帝大東工大に必要です。専門科目は大学ごとに有無や科目数が異なります

志望大学の過去問や募集要項を参照し、必要のない無意味な勉強を避ける様にプランを立てると良いと思います。

倍率

偏差値と絡めて考慮することで、自分が合格ラインに立てるかの目安になります。編入試験には一般的な大学受験とは違い、”模試”が無いので全国の高専生の中で自分がどのくらいの位置に存在するのかが全くと言っていいほど分かりません。

志望大学(学部)の倍率が4倍を超すようであれば、倍率を気にしたほうが賢明です。倍率が2,3倍の大学(学部)であれば、特に倍率を気にする必要はないと思います。2,3倍は至って普通です。倍率よりも過去問の出来を気にしてください。逆に、2倍を切るような倍率であればよほどのことがない限り、真面目に勉強していれば確実だと思います。

倍率について、大抵の大学はホームページに3年次編入の倍率として掲載していますが、一般受験と共に乗っている場合募集要項に記載してある場合もあります。根気よく調べてください。

 

推薦入試

高専での席次が良ければ推薦入試を受けられます。面接のみで筆記試験がありませんが、口頭試問が課される場合が多いです。侮れません。

旧帝大なら上位5%、千葉大は10%、電通大農工大・京工繊では20%、技科大や地方国立は成績優秀者(30%?)が出願条件です。4年次だけなのか、或いは1~4年次の成績なのかは大学ごとです。

進路の幅は広がりますが、合格した暁には”確約書”を提出する必要があるのでよく考えましょう。試験日や確約書の期間を見る限り複数の大学で被っているため、推薦は1校が限度と考えていいと思います。

過去問

各教科のどんな範囲が出題されるか傾向を掴むことで無駄な勉強を避けられます。

過去問の入手方法は主に3つです。

①大学から請求する

⇒過去3~5年の過去問を学生課経由もしくは個人宛に郵送、或いはホームページから手に入れます。

②進路支援室から手に入れる

⇒過去の受験者が少ない場合、大学によっては新しい過去問が無い場合があります。

③先輩から貰う

SNS等を通じて過去の受験者から頂く。

立地

都市圏に近いほうが後々の就職活動などに有利なのではないかと思います。私は海に近い所がいいなと考えていました。

総合大or単科大

単科大は近い分野を研究する学生・職員が多数存在するので、共通の話題が増え仲が深まりやすいのではないかと思います。総合大は様々な学部の人が在籍するので、専門分野以外の人々から刺激を得られるメリットがあります。

受験日

受験日が被らない限り多くの大学を受けられますが、費用や勉強量、精神的負担が多くかかります。(願書の提出に関しても書類の手配に時間を要します)

国公立であれば早い大学なら5月から、大抵の大学は6,7月に、旧帝大東工大、神戸大などは8月が受験日です。学部(工学部以外など)によれば国立大だったとしても9月以降に試験がある大学もあります。受験する大学は3,4校が望ましいです。

学友

 高専機構の“大学への編入学状況”を参照すると、3年次編入する高専生の人数が分かります。トップは豊橋・長岡技科大、続いて千葉大農工大、九州工業大となっております。同じ境遇の編入生が多いほうが、仲良くなりやすいのではないかと思います

先輩方の体験談を見る限り内部生が歓迎会を開いてくれたという報告を目にします。その一方で、編入生同士で固まってしまう例もあるそうです。個人的な意見として、助け合える仲間が多いほうが学生生活や社会に出た後も有意義な人生になると思います。

確約書

推薦試験の場合、合格した暁に提出する必要があります。確約書を出した後の入学辞退は原則としてありえません。学力試験で確約書を設けている大学はほとんど無いと思いますが確認必須です。

研究

各大学のホームページから研究内容を調べることが出来ます。大学ごとの研究費も調べておくと良いでしょう。興味のある研究室について、推薦・学力試験の両方の面接で聞かれる場合が多いです。一通り目を通しておくと良いでしょう。