【大学編入】横浜国立大学(横国)電子情報システムEP 体験記・体験談
【平成31(2019)年実施】2020年度 横浜国立大学(横国) 数物・電子情報系学科 電子情報システム教育プログラムを受験したので、体験記・体験談を投稿します。読み応え充分ですがあしからず。
私のスペックが気になる方は、過去の記事をご参照ください。
過去問の解答は以下のリンクから!!
nemu-henyu.hatenablog.com
大学紹介
首都圏に近いことから、近年人気が高まっています。旧帝大に次ぐ難関国立大の一つとされているそうです。
志望理由
横国を志望するに至った経緯は過去の記事と共にご参照ください。
一般的な受験生であれば、オープンキャンパスや研究室訪問で大学の雰囲気を探るそうですが、私は赴いていません。留年を左右するテストや課題レポート(手書きはマジでありえない)の山に追われてきたので、高専のカリキュラムは進学勢を全く考慮していないと言えるでしょう。以上を踏まえた上で横国を選んだ理由を大まかに述べます。
・国立大である
・旧帝大に次いで偏差値が高い
・学歴フィルターに囚われることなく就職先を選べる
・理工学部の大学院進学率が高い
・首都圏に近い
・低学年の頃から憧れあり
・海に近い
・文理同じキャンパス
・TOEIC提出あり
・試験に専門科目あり
対策
まず初めに、全科目を通した私の勉強方法を説きます。結論から述べると、私の勉強方法は“過去問を周回する”だけです。志望校の過去問を何周も繰り返し、飽きたら別の大学の過去問も解きました。詳しく知りたい方は、以下をご覧ください。
※私の勉強方法に興味がない方は、読み飛ばしていただいて構いません。
過去問の解き方
まずは過去問から取り組んでください。似たような問題や解決の糸口になるような記載を参考書から抜粋し、その考え方を理解してください。
過去問について、参考書を見ても歯が立たない問題は飛ばしてください。ひとまず過去問を1周しましょう。2周目以降は、前回解いたときよりも賢くなっている(はず)ので、解き方の糸口くらいは閃きます。
頭を悩ませる様な難解な問題に度々ぶつかると思いますが、必ず分からない理由があります。分からない理由の大半は、“基礎”ができていないことが大半です。よって、ネットの知識で十分なので取りあえず原点に帰り、基本的な公式の意味を理解するところから始めましょう。“基礎”について、参考書だと複雑に書かれている場合や、欲しい情報以上に説明が載っている場合が多いので、ネットの知識の方が参考書より最適な場合があります。一人で悩み続けるのも良い経験になると思いますが、誰かに教えて貰うのも良いでしょう。
過去問を解く上で、参考書を徐々に増やしつつ、様々なパターンの解き方を吸収してください。過去問を周回する頃には、以前自分が解いたときのミスに気付くので、“答え”が自分自身の中で洗練されます。
どんなに難しい問題だったとしても必ず解き方があります。分からない問題はいったん“寝かす”と、後々から閃くことが多かったです。
過去問を周回する際、未来の自分が見直せるようにノートに大学名などを記しておきましょう。私の場合は、○○大学過去問 ××年度 2周目とノートに記載して、振り返りやすくしました。
それに加えて、過去問自体はスマホに保存して持ち運ぶことをオススメします。最初の頃は紙媒体を愛用していましたが、管理が困難を極めたので電子的に扱うようになりました。スマホに保存しておけば、紛失の恐れや印刷の手間が省けますし、大学名・年度・科目毎に見やすく整理することができます。スマホの誘惑には打ち勝ってください。
余力があれば、他大学の過去問から志望大学と似たような問題を見つけて、腕試し感覚で解きましょう。私は、豊橋技科大・長岡技科大・福井大・電通大・信州大・神戸大・名工大・京工繊・農工大・金沢大・首都大・筑波大・東北大・阪大・京大の過去問に手をつけました。それぞれ、3~5年分を1周だけしました。進路支援室に過去問が無い場合は、大学のホームページに掲載している場合もあります。
横国対策として、数学・物理・英語の基礎科目を、4年の夏休み~春休みにかけて終わらせました。専門科目は5年になってからでも間に合いました。アルゴリズムはノータッチです。私は上記の方法で勉強を行い、初めはチンプンカンプンだった横国の過去問12年分を9割、他大学の過去問3~5年分を全体で7割の出来に底上げました。
数学
〇時系列
4年の冬休みから始めて、春休みまでに編入数学徹底基礎・過去問特訓、大学編入のための数学問題集をそれぞれ1周しました。今思えば、この時は阪大を目指していたので、横国の範囲外・必要のない範囲まで時間をかけて勉強していました。意味があったのかどうか怪しいです。
どの大学を受けるかを明確にして、過去問を解くのに必要な知識に集中して知識を吸収するべきだったと反省しています。
5年になってからは勉強スタイルを変更しました。過去問を解きつつ、分からない問題は上記の参考書に加えて、マセマシリーズや図書館の適当な参考書、ネットの情報で補いました。横国以外の他大学の過去問にも挑戦しました。
〇傾向と対策
横国の数学は易しいです。
線形代数は固有値から導く問題のみです。微分方程式は解の公式や置換法、ベルヌーイ試行、完全微分形を抑えると良いでしょう。テクニックとして、三角関数の公式と微分積分の公式を暗記しました。
※以下の参考書は一例に過ぎません。他にも多くの参考書を使ったので、最適なものを各自図書館から見つけてください。
物理
〇時系列
4年の夏休みから冬休みにかけて力学を勉強しました。阪大の過去問は難しかったので、基礎を固めたいと思い黄色い本を1周しました。
5年になり、電通大のために熱力学を勉強しました。今思えば最も無駄な時間だったと思います。
5年の5月から横国の過去問に取り掛かりました。癖のある問題は無いので、黄色い本やマセマシリーズ、その他参考書を用いれば難なく解けます。演習不足を感じたので、他大学の過去問で補いました。
〇傾向と対策
2018年度は宇宙関連の問題が出題され、私は苦手意識があったので一応抑えました。しかし、私が受けた年は例年通りの問題でした。エネルギー保存則、質点系、剛体の問題を勉強しておけばよいと思います。
※以下は参考書の一例です。
英語(TOEIC)
3年春休みの1ヶ月間で、図書館から借りてきたテキトーな問題集を1周しました。4年前期に受けたTOEIC-IPのスコアは710でした。700を超えたことに満足して、暫くTOEICを放置しました。夏休みに阪大の英語対策をしました。英作文の勉強に取り組んだので、文法力が若干付いた気がしました。
4年後期になり、公式のスコアが必要なことを知り、再度TOEICの勉強を始めました。金のフレーズで語彙を固めつつ、公式問題集1~3を1ヶ月でそれぞれ1周しました。4年10月に受けたスコアが810だったので、これ以上スコアを伸ばしても評価は変わらないだろう、と考え他の科目に時間を割きました。
電磁気
〇時系列
4年夏休みから冬休みまで、阪大の過去問を解きつつ黄色い本を1周しました。
5年からは、ありとあらゆる本を参考にして横国の過去問を解きました。他大学の過去問も解きました。
〇傾向と対策
ガウス、アンペール、ビオサバールの法則を使った基本的な問題を抑えてください。導体球の問題は必須なので、あらゆるパターンの問題に触れるとよいでしょう。導体球以外の問題は惰性で勉強すれば何とかなります。
※以下は参考書の一例です。
電気回路
〇時系列
5年のGWから過去問に手をつけました。授業で習ったはずでしたが、初見では一問も解けずに焦りました。図書館の参考書やネットの情報を頼りに、自分なりの回答を模索しました。何周も繰り返して過去問を解くことで、過去の自分のミスや新たな発想を得られました。問題に慣れることを意識して、苦手意識を取り払うとよいでしょう。
〇傾向と対策
直流or交流のどちらか一方が出題されます。直流は過度現象による文字式、交流は電流値・電圧値・電力など数値の導出です。電気回路について、類似した問題が載っている参考書を私は見つけられませんでした。よって、過去問が自力で解けない人は先生や優秀な友達に頼ることをおススメします。
論理回路
〇時系列
5年から論理回路の授業が始まったので、気後れすることなく横国の過去問を解きました。他大学の過去問を探すときは、電気系ではなくて情報系の学部を参照すると見つかりやすいでしょう。
〇傾向と対策
カルノー図、状態遷移図、フリップフロップ、論理回路記号を理解していれば難なく解けます。2019年度は例年に無かったタイムチャートが出題されたので、年々抑えるべき範囲が広くなっていると思います。
※以下は参考書の一例です。
電子工学
〇時系列
5年から手をつけました。過去問を解こうとしましたが、私には解く力が不足していたので、参考書を片手に問題を解きました。他の科目とは異なり、電子工学だけは明らかに暗記科目であり覚えげーです。他大学の過去問について、横国と類似した問題は阪大と京大の過去問から見つけました。
〇傾向と対策
文字式だけの簡単な問題の年があれば、対策不可能な記述メインの問題が出題される年もあります。私が受けた年は状態密度関数の導出でした。過去問の範囲を最低限抑えて、余力があれば参考書を一言一句覚えることを提案します。おススメはしません。
※以下は参考書の一例です。
道のり(前日)
試験前日は公欠を取り、新幹線などを乗り継いで横浜駅に着きホテルで休みました。もしも当日、道に迷ったら最悪だと思い、一応下見をしました。和田町駅からは永遠と住宅街の坂道を登るのでおススメしません。大学の門の前に着いたところで引き返しました。途中で立ち寄った神社で参拝しました。夕飯はラーメンを食べ、当日のための朝食と昼食をコンビニで買って帰りました。就寝前に、過去問を再度解き直してから寝ました。
当日
前日に下見をしたので、駅から大学の敷地内までは難なく辿り着きました。しかし、工学部の場所が分からず、敷地内を彷徨った挙句、集合時間10分前で試験会場に着きました。どこの大学でもそうですが、目印などが全くないので大学の門に受験生を案内する人がいればいいなと思いました。編入生を取り巻く環境は依然として世知辛いのです。
湿度が高い中スーツだったので、汗だくで席に着きました。筆記試験の後に面接が行われるので全員がスーツでした。機械・材料・海洋系学科と数物・電子情報系学科が同じ会場に集められました。部屋は冷房がガンガン効いていたので、汗だくの私には肌寒かったです。ジャケットを着て体温調整をしました。腕時計は必須です。
試験
※試験内容を詳しく知りたい方は、過去問をご参照ください
〇基礎科目(80分)
・数学 →10割:例年より易しい。
・物理 → 8割:初見で分からず詰んだと思いましたが、よく考えれば解ける問題でした。脳内に天使が舞い降りた気がしました。
〇専門科目(120分)
・電磁気 →10割:例年通り。
・電気回路→10割:例年通り。しかし、自分の解き方で本当に合っているのか不安に駆られました。
・論理回路→9割:最後の1問だけ分かりませんでした。
・電子工学→2割:半導体の絶対零度時のフェルミ分布が分かりませんでした。記憶を頼りに、参考書に書いてあった(気がする)内容を超テキトーに埋めました。がんばったアピールです。状態密度関数の導出はノーマークだったのでテキトーに埋めましたが、恐らく不正解。落ちるならこの科目が原因でした。
基礎科目は時間ギリギリまで、約5回解き直しをしました。電子工学が白紙同様だったので、専門科目全体では20分程度で終わってしまいました。寝ている学生もいました。
面接
筆記試験が終わった後、採点の為に2時間程待ちました。機械工学EPの受験生は、志望理由書らしき物を書かされていました。他の学生はスマホをいじっていました。面接で落とされることはないだろうと思い、その間はくつろいでいました。周りの学生に話しかけたい気持ちもありましたが、試験の手応えを考えると気が滅入りました。
試験後に連絡先を交換している人をよく見かけます。お互いor片方が落ちたとすれば、今後関わることのない人の連絡先だけが残ることになりますよね。お互い入学した後に交換すればいいのではと秘かに思っています...
筆記試験から2時間後、控室に移動しました。面接は受験番号順ですが、面接室は2部屋あるので必ずしも受験番号が早い人順に終わるわけではありません。面接は3人の面接官に対して個別面接でした。真ん中の面接官が主な進行役で、両端の面接官からは時折質問をされました。
下の図は面接室の大まかな間取りです。豊橋技科大GACコースや農工大の推薦試験と比べて、やはり簡素な間取りだと思います。イメトレにでも使ってください。
以下は面接の内容です。
・電子情報システムEPを志望した理由
・横国を志望した理由
・興味のある研究室
・卒研について
・院に進むのか?
・将来のビジョンを答えろ
・TOEICのスコアは?
・他にどこの大学を受けたか?
・第一志望は?
・専攻科は受けたか?
・合格したとして、単位が足りなくて2年次編入になっても構わないか?
・教員免許を取りたいか?
合格発表
試験結果の手応えは、全体で7割の出来でした。
併願校や第一志望を聞かれる際に、多くの体験談で「合否には関係ありませんが」という前振りを目にします。しかし私の時には聞かれなかったので、もしかしたら判断材料になっていたのかもしれません。
「合格したとして、単位が足りなくて2年次編入になっても構わないか?」と聞かれたので、合格後の話をしていると思い、内心受かったのではないかと考えていました。しかし、合格した先輩の体験談を見ると、”試験の出来”を聞かれた方が多く、私はそのことについて面接で触れられなかったので、何とも言えない気持ちでした。よって、受かっているか否かは、50:50の気持ちで合格発表の日を迎えました。
発表日のお昼頃、研究室のパソコンの前に一人で待機していました。ドキドキが止まりませんでした。農工大に落ちた日は大雨でしたが、この日は晴れていたので妙な自信がありました。
午後1時に横国のホームページを覗くと、理工学部の合格受験番号が掲載されていました。滑り止めとして豊橋技科大に受かっていましたが、クリック一つで自分の将来が決まってしまうことに、例えようのない気持ち悪さを感じました。一旦心を落ち着けるために、YouTubeで般若心経を聞いて雑念を鎮めました。覚悟が決まったところで受験番号を確認し、自分の番号を見つけると研究室で喜びの雄叫びを上げました。
アドバイス
最寄り駅について、相鉄・JR羽沢横浜国大駅の開業が2019年11月30日(土)と決まったそうです。横国に徒歩約10分でアクセスできるようになりました。特に工学棟により近い駅なので、使い勝手が良いのではないかと思います。
進路研究について、とにかく大学編入の情報を集めましょう。様々な国公立大学の募集要項や体験談、ホームぺージを漁り、自分の進路プランを早めに立てましょう。
成績が良ければ推薦を活用する手もあります。4年の前期には、ある程度大学を調べ終えて、勉強に取り掛かれる状態が望ましいです。
孤独に勉強するのは精神的にキツイです。お友達や先生を巻き込みましょう。私はしませんでしたが、SNSで先輩からアドバイスをねだると良いでしょう。過去問やその解答などを頂けるかもしれません。
試験を受けるための準備(願書作成、ホテルの手配)について、初めてのことが多くて時間もかかるので、不安を感じると思います。ずばり、”慣れ”が必要なので複数校受験することをおススメします。
試験中は、”自分が分からないなら、周りも分からないはず”と考えて、気持ちの切り替えを大切にしてください。思わぬ見落としを防ぐことに繋がります。
編入試験の合否が何で決まるのかは未知数です。
・大学側が公表していない独自に決めた倍率
・ボーダー制
の2択が思いつきましたが、私は後者を推します。その年の試験の難易度にもよると思いますが、旧帝大・東工大は6割、筑波大は7~8割の出来で合格と言われているのは有名です。一方で、倍率だけに注目すれば、横国電情EPは例年3倍強です。今年も含めて、毎年倍率が3倍強なので大学独自の倍率で、合否を決めているのではないかとも考えられます。ですが、これは私の憶測にすぎませんが、全受験生の30%のみが試験で7割近く取れたのではないかと考えます。いずれにせよ、過去問を解いた時の出来に注目して勉強を進めると良いと思います。倍率が2、3倍なのは普通です。臆することなく編入試験に挑んでください。
矛盾している書き込みがあるかもしれませんがご容赦ください。質問がある方はDMを頂ければ善処します。お付き合い頂き、有難うございました!!